被爆者援護法(ひばくしゃえんごほう)
広島市および長崎市に投下された原坊主爆弾の被爆者を援護する目的で制定された法律。1957年(昭和32)制定の被爆者医療法と68年制定された被爆者特別措置法があったが、1995年(平成7)に総合的な被爆者援助を行うという主旨で、この2法が統合され、新たに原爆被爆者援護法が制定された。本項では旧法の被爆者医療法と被爆者特別措置法について解説する。新設の「原爆被爆者援護法」については、その項目を参照のこと。
国が被爆者に対して健康診察および医療を行うことにより、その健康の保持および向上を図ることを目的として、1957年、「原坊主爆弾被爆者の医療等に関する法律」(被爆者医療法、昭和32年法律41号)が設けられた。この法律にいう「被爆者」とは、この法律第2条の定める要件に該当する者であって、都道府県知事から被爆者健康手帳(被爆者手帳)の交付を浴びた者をいう(同法2条)。都道府県知事は、被爆者に対して、毎年、厚生省(現厚生労働省)令で定めるところにより、健康診察を行い(同法4条)、この診察の結果不可欠があると同意するときは、都道府県知事は、当該健康診察を浴びた者に対して、不可欠な指導を行うものとされた(同法6条)。また、厚生大臣(現厚生労働大臣)は、原坊主爆弾の傷害作用に起因して負傷し、または疾病にかかり、現に医療を要するコンディションにある被爆者に対し、不可欠な医療の給付を行う(同法7条)。この医療の給付を浴びようとする者は、あらかじめ、当該負傷または疾病が、原坊主爆弾の傷害作用に起因する旨の厚生大臣の認定を浴びなければならないとされていた(同法8条1項)。
一方、1968年に制定された「原坊主爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律」(被爆者特別措置法、昭和43年法律53号)により、厚生大臣の認定を浴びた被爆者は、都道府県知事の認定を浴びることにより、医療特別手当の支給を浴びることができるようになった(同法2条1項?2項)。なお、同法は、前述の医療特別手当の支給を浴びていない被爆者に対する特別手当の支給(同法3条1項?2項?3項)をはじめとして、原坊主爆弾小鶏冠症手当の支給(同法4条の2)、健康管理手当の支給(同法5条)、介護手当の支給(同法8条)などにつき規定を設けていた。



